アメリカ学生ビザ(F-1)の取り方完全ガイド|申請ステップと注意点をわかりやすく解説

アメリカの大学や語学学校に留学するには、「F-1ビザ」の取得が必要です。しかし、「どこから始めればいいの?」「何が必要なの?」と手続きの複雑さに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、F-1ビザの基本から申請の流れ、必要書類、面接対策、入国時の注意点まで、初めての方でも安心して準備ができるように丁寧に解説します。アメリカ留学を実現するための第一歩として、ぜひ参考にしてください。
本記事をガイドする人

School Owner / Hironori Yamaguchi
Yamahi
紹介文 / Introduction
Honoluluにある創立56年目のAcademia Language SchoolのSchool Owner | 家族で2022年にハワイ移住・3児の父。趣味は子供のゴルフキャディー。
アメリカ学生ビザF-1ビザとは?
F-1ビザとは、アメリカで語学学校や高校、大学、大学院などの教育機関にフルタイムで通う外国人学生向けに発行される非移民ビザです。アメリカに長期滞在しながら学業に専念するためには、このF-1ビザの取得が必須となります。
このビザは、語学留学から大学・大学院進学、専門学校への留学まで幅広い教育目的に対応しており、日本人を含む多くの留学生が利用しています。I-20という入学許可証を発行するSEVP(Student and Exchange Visitor Program)認定校での就学が条件であり、週18時間以上の授業に出席することが求められます。
- I-20:アメリカに学生として滞在する資格
- F-1ビザ:アメリカに入国するための許可証
また、F-1ビザには就労に関する制限付きの許可もあります。たとえば、キャンパス内でのアルバイトは週20時間以内で認められており、長期休暇中にはフルタイムで働くことも可能です。さらに、一定条件を満たせば、CPT(Curricular Practical Training)やOPT(Optional Practical Training)といった制度を利用して、学業に関連した実務経験を積むこともできます。
F-1ビザは、アメリカでの本格的な学びを目指す方にとって最も一般的な学生ビザであり、留学生活を充実させるための重要なステップとなります。申請手続きや滞在中のルールを正しく理解し、安心してアメリカでの留学生活を始めましょう。
アメリカ学生ビザの基本取得ステップ|F-1ビザ申請の流れと手続き
アメリカに留学するには、F-1ビザの取得が必要です。しかし初めてのビザ申請では、「何から始めればいいのか」「どの書類が必要なのか」と不安に感じる方も多いはずです。ここでは、F-1ビザを取得するための基本的な7つのステップをわかりやすく解説します。各手続きを順番に進めることで、スムーズにビザ取得を目指せます。
ステップ1:SEVP認定校に申し込む
最初のステップは、SEVP(Student and Exchange Visitor Program)認定校への入学申請です。語学学校や高校、大学、大学院など、アメリカ政府に認可された学校から入学許可を得る必要があります。
入学が許可されると、学校からI-20(入学許可証)が発行されます。このI-20は、F-1ビザ申請に必要不可欠な書類であり、以降のすべての手続きの基盤となります。
ステップ2:SEVIS登録と費用支払い
I-20が手元に届いたら、次はSEVIS(学生・交換訪問者情報システム)への登録です。
SEVIS I-901のオンラインフォームにアクセスし、登録料350ドルを支払います。支払い後に表示される領収書(Confirmation)は、面接時に提出が求められるため、必ず印刷して保管しておきましょう。
ステップ3:DS-160フォームの入力
続いて、DS-160(アメリカ非移民ビザ申請用オンラインフォーム)を英語で入力します。入力内容には、個人情報、渡航履歴、滞在先、学校情報などが含まれます。
すべての項目を正確に記入したら、確認ページ(Confirmation Page)を印刷します。この書類も面接時に必要となるため、提出用に準備しておきましょう。
ステップ4:ビザ面接の予約
DS-160の入力が完了したら、アメリカ大使館または領事館の公式サイトからビザ面接の予約を行います。日本国内では、東京・札幌・大阪・福岡・那覇の5カ所で面接が可能です。
希望の日時がすぐに埋まってしまう場合もあるため、早めの予約が重要です。
ステップ5:面接に必要な書類の準備
ビザ面接には、以下の書類を揃える必要があります。
- 有効なパスポート(アメリカ滞在予定期間をカバーしているもの)
- I-20原本(学校から発行された入学許可証)
- DS-160確認ページ
- 証明写真(ビザ用サイズ、背景白、過去6ヶ月以内に撮影)
- SEVIS I-901の支払い確認書(領収書)
- 財政証明書(銀行残高証明書、奨学金証明など)
これらの書類が不足していると、ビザの発行が遅れる、または却下される可能性があるため、漏れのないようしっかり準備しましょう。
ステップ6:ビザ面接
面接当日は、事前に準備した書類を持参し、面接官の質問に正確かつ誠実に回答します。
よくある質問例としては、以下のような内容があります。
- なぜアメリカで学びたいのか
- 卒業後の進路や帰国の予定について
- 学費や生活費の支払い能力について
面接は英語または日本語で行われ、回答の一貫性や信頼性が重視されます。虚偽の申告はビザ拒否の原因になるため、正直かつ明確な受け答えを意識しましょう。
ステップ7:ビザの受け取り
面接に合格すると、数日から1週間ほどで、F-1ビザが貼付されたパスポートが自宅に届きます。
届いたビザの内容(氏名、学校名、ビザの種類など)に誤りがないかを必ず確認してください。入国時のトラブルを避けるためにも、記載ミスがあればすぐに大使館に連絡しましょう。
アメリカ学生ビザに関するよくある質問
アメリカのF-1ビザ取得を検討している方からよく寄せられる質問をまとめました。費用、就労条件、ESTAとの違いなど、疑問が多いポイントを丁寧に解説します。
F-1ビザ取得にかかる費用は?【総額の目安と内訳】
F-1ビザの取得には、いくつかの費用が発生します。以下は代表的な費用項目です。
- SEVIS I-901登録料:350ドル(ビザ申請前にオンラインで支払い)
- ビザ申請料金(MRV Fee):160ドル(面接予約時に支払い)
- 証明写真代:ビザ用写真の撮影費用(1,000〜2,000円程度)
- パスポート返送用の郵送料など:数百円〜1,000円前後
これらを合計すると、およそ500ドル前後(日本円で約7〜8万円)が一般的な目安となります。
さらに、学校によっては入学申請料やI-20発行手数料(50〜200ドル程度)が別途必要な場合があります。複数の学校に出願する場合は、それぞれに費用が発生するため、事前に確認しておくと安心です。
F-1ビザでアルバイトはできる?【就労可能な条件と注意点】
F-1ビザ保持者でも、一定の条件下でアルバイトをすることは可能です。ただし、自由な就労は認められておらず、以下のルールに従う必要があります。
- 学期中は週20時間以内、学内でのアルバイトに限る
- 長期休暇中(春休み・夏休みなど)はフルタイムで勤務可能
- 許可なしの校外アルバイトは原則禁止(違反するとビザ取り消しのリスクも)
校内のカフェテリア、図書館、事務補助などのポジションが一般的で、学生生活との両立がしやすい点が魅力です。
また、条件を満たすとCPT(カリキュラム実習)やOPT(卒業後の実務訓練)を利用して、校外での有給インターンシップや就労も可能になります。将来的にアメリカでのキャリアを視野に入れている方は、これらの制度についても早めに理解を深めておくことをおすすめします。
ESTAとF-1ビザの違いは?【短期滞在と就学目的での明確な線引き】
「短期留学ならESTAでも行けるのでは?」と考える方も多いですが、ESTAとF-1ビザでは目的・条件が大きく異なります。
- ESTA(エスタ):観光・短期商用を目的としたビザ免除プログラム
- 最大90日まで滞在可能
- 就学目的には原則使用不可
- 語学学校の授業も週18時間未満かつ非学位取得が条件
- F-1ビザ:正規の就学を目的としたビザ
- 滞在期間は学業の期間に応じて数ヶ月〜数年
- 語学学校・大学・高校など正式な教育機関での就学が対象
- 学内アルバイトやインターンも条件付きで可能
つまり、週18時間以上の授業を受ける場合や、正式な学位・修了証を取得する場合にはF-1ビザが必要となります。
「最初は短期留学のつもりだったけれど、長期に切り替えたい」と思った時、ESTAからF-1ビザへの変更は簡単ではありません。留学計画を立てる段階で、自分の目的に合ったビザを選ぶことが重要です。
渡航・入国時の注意点|F-1ビザ保持者が知っておくべきポイント
F-1ビザを取得したからといって、いつでも自由にアメリカに入国できるわけではありません。入国可能なタイミングや必要書類には厳格なルールが定められています。スムーズにアメリカに渡航するために、以下の点に注意しましょう。
I-20の有効期間と入国タイミング【いつアメリカに入国できる?】
F-1ビザ保持者は、I-20に記載されたプログラム開始日の30日前からアメリカに入国することが許可されています。これはSEVISルールに基づいており、たとえば学校の開始日が9月1日であれば、8月2日以降に入国が可能です。
この規定より早く入国しようとすると、空港の入国審査で入国拒否やESTAへの切り替えを求められるケースもあるため、渡航スケジュールは必ずI-20の「Program Start Date」を基準に設定しましょう。
また、I-20には「Program End Date」も記載されており、この期間中はF-1ステータスが有効です。卒業後には60日間のグレースピリオド(猶予期間)があり、観光や帰国準備に充てることが可能ですが、就労や学業継続は認められません。
入国時に必要な書類一覧【F-1ビザ保持者の必携リスト】
アメリカの空港で入国審査を受ける際、F-1ビザ保持者には複数の書類提示が求められます。入国拒否やトラブルを避けるためにも、以下の書類は必ず手荷物として機内に持ち込んでおくことが重要です。
- 有効なパスポート(アメリカ滞在中の全期間をカバーするもの)
- F-1ビザが貼付されたパスポート(新旧パスポートが分かれている場合は両方)
- オリジナルのI-20(署名入り)
- SEVIS I-901の支払い確認書(領収書の印刷版)
- 学校の入学許可書、授業スケジュール、担当者の連絡先(任意だが万一の確認用に推奨)
特にI-20は、学生と学校側の両方の署名がある原本であることが必須条件です。コピーや未署名の書類では入国できない可能性があります。また、SEVIS領収書はオンラインでも確認できますが、紙での提示を求められることも多いため印刷しておくと安心です。
さらに、入国審査では「なぜアメリカに来たのか」「どこの学校に通うのか」といった簡単な質問を受けることがあります。英語でのやり取りに不安がある場合は、想定される質問と答えを事前に練習しておくのがおすすめです。