語学学校とは?一日のスケジュールから選び方まで解説
外国語を学ぶための留学先の選択肢の1つに、語学学校があります。語学学校は、外国語を学びながらクラスメイトと実践的な会話を通じて語学力を高めていく学校のことです。
留学先を決めたくても、語学学校での過ごし方やコースの種類が分からず、決断できないこともあるでしょう。
そこで本記事では、語学学校や一日の流れや通学のメリット、種類やコースの選び方を解説します。語学留学の留学先を決めたい方は、ぜひご一読ください。
本記事をガイドする人
School Owner / Hironori Yamaguchi
Yamahi
紹介文 / Introduction
Honoluluにある創立55年目のAcademia Language SchoolのSchool Owner | 家族で2022年にハワイ移住・3児の父。趣味は子供のゴルフキャディー。
目次
語学学校とはどんなところ?
ここでは、語学学校について以下2つの点から解説していきます。
- 語学学校とは
- 語学学校に必要な英語力
1つずつ見ていきましょう。
語学学校とは
語学学校は、留学生を対象に語学の習得を目的とした教育を行う学校です。文法・語彙・発音・会話力など、言語の習得に必要なスキルを習得するための授業が行われます。語学学校は、私立の学校と大学附属の語学学校の2種類に分かれます。多くの語学学校には年齢制限がなく、18歳以上であれば誰でも通えます。
国や学校によってコースやプログラムは異なりますが、語学学校は単に言語力をつけるだけでなく、異文化理解や国際的な視野を広げる場でもあります。
語学学校に必要な英語力
語学学校の入学時に、特別な英語力は必要ありません。交換留学や正規留学では英語力を証明できるスコアなどを求められますが、語学学校では不要です。
語学学校入学時には英語力を測るテストがあり、その結果を基に自分にあったクラスに配属されます。英語を話せない初心者から上級者まで、幅広いレベルの学生が参加できます。
とはいえ、語学留学で英語を学べる期間は限りがあることが多いため、留学前から単語力や英語力を身につけておいたほうが、より有意義な留学生活を送れるでしょう。
語学学校での一日のスケジュール
語学留学は、その国の文化を存分に堪能できるのも魅力です。ここでは、ハワイの語学学校での生活を例に挙げ、一日のスケジュールを見ていきましょう。
朝のビーチや海岸沿いの道を散歩してリフレッシュする、または軽いジョギング。
シェアハウスやホストファミリーと一緒に朝食をとる。
クラスでは、文法や語彙の強化、リスニングやスピーキングの練習など、多岐にわたる内容を学ぶ。
学校のカフェテリアや近くのローカルレストランで、ポキ丼やロコモコなどハワイの料理を体験する。
週に数回、授業の代わりにサーフィンレッスンやハイキング、文化体験のワークショップを選択できる。
宿題をしたり、友達とショッピングをしたりして過ごす。
ホストファミリーとの夕食、または友達とバーベキューやレストランで夕食をとる。
部屋で自習、ホストファミリーやルームメイトと会話・映画鑑賞などして過ごす。
一日を振り返り、リラックスして次の日に備える。
ハワイの語学学校では、英語学習と同時にリゾート地ならではの自然や文化を満喫できるのが魅力です。授業外のアクティビティも充実しているため、語学力だけでなく異文化への理解も深められるでしょう。
語学学校に通うメリット
語学学校に通うメリットには、以下の4つがあります。
- 実践的な英語力がつく
- 効率よく英語力を伸ばせる
- さまざまな国の友達ができる
- 留学する時期を自由に選べる
1つずつ見ていきましょう。
実践的な英語力がつく
語学学校に通う最大のメリットは、実践的な英語力がつくことです。質の高い教師が在籍している語学学校であれば、言語習得に必要なスキルを体系的に教えてくれます。そのため、独学や日本の英会話教室よりも、早く英語を習得できる可能性があります。
また、授業では会話の練習なども取り入れられるため、実践的なコミュニケーション力も同時に鍛えられるのも魅力です。生徒同士の交流もさかんで、多様なアクセントや表現に触れる機会があるため、ヒアリング力の向上も期待できます。
効率よく英語力を伸ばせる
語学学校に通う最大のメリットは、効率的に英語力を伸ばせることです。語学学校での授業は小グループで行われることが多く、個々の学習進度にあった指導が受けられるため、無駄なくスキルを伸ばせます。
また、語学留学中は、学校で学んだことを、友人やホストファミリーとの会話など日常生活ですぐ使えるのも魅力です。英語学習に集中できる環境に身を置くことで、短期間で英語能力を大幅に向上させられるでしょう。
さまざまな国の友達ができる
さまざまな国から来た友達ができるという点も、語学学校に通うメリットです。異なる文化背景を持つクラスメイトと交流することで、単に言語能力を向上させるだけではなく、多様な文化への理解を深めることが可能です。
また、友達との会話から新しい表現を学ぶことも、英語学習へのモチベーションの向上につながります。そして、孤独感やストレスを感じたときも、留学生同士で支え合えるのも強みです。さまざまな国の友達ができれば留学生活は豊かになり、将来的にはグローバルなネットワークを築く基盤にもなるでしょう。
留学する時期を自由に選べる
語学学校に通うメリットには、留学する時期を自由に選べることもあります。多くの語学学校では、年間を通じて複数の開始日が設定されているため、自分のスケジュールの都合で最適な時期を選んで入学できます。
交換留学や大学のプログラムでは、入学時期が定められているのが一般的ですが、語学学校であれば、ライフスタイルや仕事の都合に合わせて渡航スケジュールを組むことが可能です。
また、短期間の集中コースから長期間のコースまで多様なプログラムが用意されているため、目的に合った期間を選べるのも魅力です。
語学学校に通うデメリット
語学学校に通うデメリットには、以下の2つがあります。
- 費用を準備する必要がある
- 成果を挙げられるかは自分次第
1つずつ見ていきましょう。
費用を準備する必要がある
語学留学のデメリットとしては、費用の高さが挙げられます。留学には授業料のほかに、渡航費・滞在費・生活費などがかかります。特に、生活費が高い国への語学留学は、金銭的な負担が大きくなりがちです。
例えば、ロンドンでの1年間の語学留学には、約300万円から700万円程度かかると言われます。その場合、1年間で日本の私立大学の4年間の学費518万円と同じ程度の費用がかかる計算になります。留学生や家族にとって、経済的な負担がかかることは理解しておきましょう。
参考:私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について|文部科学省
成果を挙げられるかは自分次第
語学学校に通うデメリットは、自分自身の努力次第で成果を上げられるかが決まることです。単に、海外の語学学校に通って授業を受け、課題をこなすだけでは思ったように語学力を伸ばせないことがあります。
また、日本人の学生とばかり交流していると、つい日本語を使ってしまい言語習得の機会が減ることもあるでしょう。効率的に進めるためには、授業外でも積極的に現地の言語を使う機会をつくることが大切です。異文化交流会に参加するなど、積極的に行動することが語学の習得につながります。
語学学校の選び方
実際に語学学校を選ぶとなると、いくつもの選択肢があって迷うこともあるでしょう。ここでは、語学学校の選び方を以下の7ステップで解説します。
- 留学する国
- 語学学校の種類
- 受講コース
- 1クラスあたりの生徒数
- 教師の質・資格の有無
- 学校の環境
- 日本語でサポートを受けられるか
1つずつ見ていきましょう。
1.留学する国
語学学校を選ぶとき、最初のステップは留学する国を決めることです。英語学習を目的とする場合は、ネイティブスピーカーが多い英語圏の国を選びましょう。アメリカやイギリスは標準的な英語の発音を学べるため、特におすすめです。
一方で、フィリピンのような非英語圏でも英語が公用語の1つとして広く使用されており、コストパフォーマンスが高い留学先と言えます。第二言語としての英語教育に長けた教師から学べるのも特徴です。
留学する国を選ぶときには、発音や方言も考慮し、自分の学習目標や旅行したい地域などさまざまな点を考慮しながら選びましょう。
2.語学学校の種類
語学学校は、主に私立語学学校と大学附属の語学学校の2種類があります。
私立語学学校
私立語学学校は、比較的、自由度の高い語学留学が可能です。入門レベルから上級レベルまで幅広い語学力の学生を対象としており、短期留学から長期留学まで、留学の期間も選べます。
また、ビジネス英語や検定試験対策など、特定の目的に特化したプログラムを設けていることが多く、目的にあったコースを受講することが可能です。生徒の管理が行き届いており、1人1人に合った指導を受けやすいのもメリットです。
大学附属の語学学校
大学附属の語学学校は、多くの場合、大学の教授や専門の言語教師が授業を担当し、学術的な英語や特定の分野に特化した英語の習得を目指す学生に向けて授業が行われます。
また、大学の設備などを利用できるため、図書館や研究施設といった学習支援環境が整っているのも特徴です。大学進学を目指す学生や、英語を深めたい社会人におすすめの語学学校です。
3.受講コース
語学学校によって違いはありますが、以下のようなコースがあります。
コースの種類 | 概要 |
一般英語コース | 基本的な聞く・話す・読む・書くスキルの総合的な向上を目指す |
ビジネス英語 | 職場で必要とされる英語コミュニケーションスキル向上を目指す |
TOEIC・TOEFL対策 | TOEIC・TOEFLなどの英語能力試験のスコア向上を目指す |
その他 | プライベートレッスン・進学準備・インターンシップ、アカデミック英語など、特定の目的やニーズに合わせた専門的なコース |
一般英語コース
一般英語コースは、英語の基本スキル(聞く・話す・読む・書く)と、コミュニケーション力を総合的に向上させるためのコースです。週に20~26コマ程度の授業が行われ、留学生の多くが選びます。
入学時の英語力によって細かくコースが分けられており、基礎を学ぶコースから上級者コースまであるのが一般的です。また、他のコースの入口として一般英語コースを選ぶ方もいます。
ビジネス英語
ビジネス英語コースは、ビジネスの場での実践的なコミュニケーションスキル向上を目指す社会人向けのコースです。商談・プレゼンテーション・電話の応対やメールの書き方など、仕事上で求められる英語能力を中心に学んでいきます。
国際的なビジネスシーンで、クライアントやパートナー、同僚とのやりとりを可能にする語彙力・コミュニケーション力を身につけるためのコースです。文化的な違いについても取り上げることがあります。
TOEIC・TOEFL対策
TOEICやTOEFL対策コースは、英語力を測るテストのスコアを向上させることを目的としたコースです。試験形式や問題の解き方、時間管理のスキルを学び、実際の試験に備えるための英語力を身につけていきます。
模擬テストも行われ、リスニングやスピーキングだけでなく、ライティングやリーディングなど試験で求められる技術を総合的に学んでいきます。
その他
その他のコースとして、プライベートレッスンや進学準備コースなどがある語学学校もあります。特定のニーズがある方や、キャリア目標に応じた専門的なスキルを学びたい学生向けに設けられているコースです。
例えば、プライベートレッスンでは教師と生徒が1対1、1対5などの少人数で授業を受けられます。親子留学中に、子どもと一緒に英語のレッスンを受けたい場合などにおすすめです。
4.1クラスあたりの生徒数
語学学校を選ぶときには、1クラスあたりの生徒数を確認しましょう。一般的に、グループレッスンでは10~20人の生徒が1クラスで学びます。集団授業では、生徒同士の交流やディスカッションを通じて実践的な力をつけることが可能です。
また、クラスの生徒数が少ないほど、生徒1人1人が教師から指導を受ける機会が増えます。少人数クラスでは生徒同士の交流も密になり、実際の会話練習の機会が増えるため、会話能力の向上が期待できるでしょう。
5.教師の質・資格の有無
語学学校を選ぶときには、教師の質と資格の有無を確認することをおすすめします。高いレベルの英語力と指導スキルを持つ講師から学んだほうが、効率的に学習を進められるためです。
例えば、TEFL・TESOL・CELTAなど、国際的に認められた資格を持つ講師がいる学校であれば、質の高い授業を受けられることが期待できます。語学学校のHPなどで講師の資格をチェックし、授業の質の高い学校を選びましょう。
6.学校の環境
語学学校を選ぶときには、学校の環境をチェックすることも重要です。例えば、学内に在籍する学生はどの国籍が多いのかという点は、言語習得に影響を与えます。
日本人が少ない環境で学ぶことで、英語使用の機会が増え、より効果的に語学力を伸ばせるためです。また、在籍する学生に多いのはアジア人かヨーロッパ人かといった国籍の多様性も、異文化交流の経験に富むかどうかに関わります。
そして、学校の設備も事前に確認が必要です。Wi-Fi・食堂・寮などの設備が整っていれば、快適に学習が進められ、留学生活は充実するでしょう。
7.日本語でサポートを受けられるか
語学学校を選ぶときには、日本語でサポートを受けられるかを確認することも重要です。特に初めての海外生活では、言語や文化の違いから、さまざまな問題や不安に直面することも珍しくありません。
問題やトラブルが起こった場合でも、日本語で相談できるスタッフがいる学校は、心強い存在となります。日本語サポートが充実している学校では、緊急時の対応や日常生活の相談、学習の悩みといったアドバイスが受けられるでしょう。
まとめ
語学学校での留学は、言語を学ぶだけでなく新たな文化に触れ、国際的な視野を広げる絶好の機会です。本記事では、語学学校の一日のスケジュールから、自分にあった語学学校の選び方まで詳しく解説しました。特に、ハワイは温暖な気候と治安の良さから、日本のみならず多様な国々の留学生に人気の場所です。
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