学生ビザの有効期限と滞在期間は違う?F-1の期間の考え方
学生ビザ(F-1)の「ビザの有効期限」と「アメリカに滞在できる期間」は別のものです。ビザは入国を申し込める期限で、滞在できる期間は学校が出す I-20 の終了日と、入国記録(I-94)の「D/S」で決まります。この記事では、3つの期限の違いと、ビザが切れたときにできること・できないことを、連邦規則と国土安全保障省・ICE の案内をもとに Academia 編集部がまとめます(2026年10月29日時点)。
- ビザの有効期限は「その日までに入国を申し込める」という期限。滞在できる長さではない(Study in the States)
- 滞在できる期間は I-94 の「D/S(Duration of Status)」=学生の身分を保っている間。目安は I-20 の終了日+60日(8 CFR 214.2(f)(5)、ICE)
- ビザが切れても、I-20 が有効で通学していれば、アメリカにいてよい。ただし出国して戻るには有効なビザが要る
- I-20 の終了日が先に来るなら、終了日の前に学校(DSO)で延長する。終了後は60日以内に出国・転校・新しいプログラムへ
- 滞在を最長4年に区切る「4年ルール」は、裁判所の命令でいまは止まっている(2026年10月29日時点。いまも D/S のまま)
執筆:Academia 編集部/監修:Yamahi(School Owner, Academia Language School)
本記事をガイドする人

School Owner / Hironori Yamaguchi
Yamahi
紹介文 / Introduction
Honoluluにある1969年創立・CEA認定のAcademia Language SchoolのSchool Owner | 家族で2022年にハワイ移住・3児の父。趣味は子供のゴルフキャディー。
ビザの有効期限と、滞在できる期間は何が違いますか?
答えは「ビザは入国の申し込みの期限、滞在できる期間は I-20 と I-94 で決まる」です。国土安全保障省の留学生向けサイト Study in the States は、「ビザの有効期限は、アメリカに滞在できる長さを決めるものではない」と繰り返し案内しています。F-1 の学生が持つ「期限」は、次の3つです。

- ビザの有効期間は国籍で違う:国務省は国ごとの「相互主義の表(Reciprocity Schedule)」で有効期間と入国回数を決めています。日本のパスポートの F-1 は、この表では最長60か月(5年)・複数回入国・発給手数料なしです。Academia の学生を見ていても、5年のビザになる人がほとんどですが、大使館の判断でまれに1年になる人もいます。期間が短い国の人は、留学の途中でビザが切れることが珍しくありません
- ビザは「入るための許可」:ビザがあっても入国を認めるかは入国審査官が判断し、入国のあとの身分(status)は I-20 と I-94 で管理されます。I-94 の確かめ方は「I-94とは?F-1留学生が入国後に確かめること」で説明しています

「ビザが5年あるから5年いられる」「ビザが切れたから帰らないといけない」。どちらも、入学の相談でよく聞く勘違いです。学校で見ているのは I-20 の終了日と出席で、ビザの日付は入国のときにしか使いません。まず「ビザ」「I-20」「I-94」の3つを別のものとして覚えてしまうのが近道です。
「D/S」とは何ですか?いつまで滞在できますか?
答えは「Duration of Status の略で、学生の身分を保っている間は滞在できる、という意味」です。連邦規則(8 CFR 214.2(f)(5))は、D/S を「SEVP 認定校でフルタイムの課程を続けている期間」と定め、課程を終えたあとの準備期間も含めています。
- I-94 を確かめる:入国後に CBP のサイト(i94.cbp.dhs.gov)か CBP Link アプリで I-94 を開き、「Admit Until Date」が日付ではなく D/S になっているか見ます。日付が入っていたら、Study in the States は「すぐに DSO に連絡する」よう案内しています。直さないと身分を失うことがあります
- 身分を保つ:フルタイムで授業に出ること、I-20 の終了日までに課程を終えること(終わらないなら終了日の前に延長を頼むこと)、許可のない仕事をしないこと。学校の出席の決まりは「週4日制の語学学校とは」で説明しています
- 猶予の60日は「準備の期間」:授業を受けたり働いたりする期間ではありません。学校の許可を得て途中で退学した場合の猶予は15日です(8 CFR 214.2(f)(5)(iv))
ビザの有効期限が切れても、アメリカにいてよいですか?
答えは「滞在中なら、いてよい。出国して戻るときだけ、新しいビザが要る」です。ビザは入国を申し込むための書類なので、入国したあとに切れても、I-20 が有効で身分を保っていれば滞在は続きます。困るのは、一時帰国や旅行でアメリカの外に出たときです。
F-1 ビザの発給は国務省(大使館・領事館)の仕事で、アメリカにいる間に延ばしたり貼り直したりすることはできません。ビザが切れたあとに一時帰国を予定するなら、帰国中に面接を受ける時間を見込んでおきます。面接で聞かれることは「学生ビザの面接で聞かれることは?」、断られたときの仕組みは「学生ビザの面接で落ちたら?」をご覧ください。再申請のときも、同じ SEVIS ID のままなら SEVIS 費は払い直しません。
- 一時帰国の持ち物:有効なパスポート・有効な F-1 ビザ・DSO の渡航署名が入った I-20 の3つ。署名の期限と I-20 の見方は「I-20の見方|受け取ったら確かめる6か所と渡航署名」にまとめています
- 5か月を超える不在:一時出国が5か月を超えると、同じ記録では戻れず、学校が新しい I-20 を出す形になります(8 CFR 214.2(f)(4))。長い帰国を考えるときは、出る前に DSO に相談します
I-20 の終了日が近づいたら、どうすればよいですか?
答えは「終了日の前に、学校の DSO に延長を頼む」です。連邦規則(8 CFR 214.2(f)(7))は、身分を保って普通に進んでいるのに終了日までに課程を終えられない学生は、終了日より前に延長を申請しなければならない、と定めています。終了日を過ぎてからでは延長できません。
- ✓終了日はいつか
I-20 の「Program End Date」。カレンダーに入れ、2か月前には学校に相談する - ✓延長の条件
学校の課程をフルタイムで続けていて、学業や病気などの理由で終わらない場合。遊びや仕事のための延長は認められない - ✓延長の手続き
DSO が SEVIS で終了日を延ばし、新しい I-20 を出す。ビザの申請し直しは不要(滞在中の場合) - ✓次の学校に移る
同じ SEVIS の記録を次の学校に移す「転校」。60日の猶予の間に手続きを始める - ✓新しいプログラム
同じ学校で次の課程に入るときも、終了日の前か60日以内に DSO と相談する - ✓日本に帰る
60日以内に出国。猶予の間は授業も仕事もできない
- Academia Language School の場合:申込期間にかかわらず2年間の I-20 を出しています。短い予定で来た人が延ばしたくなったとき、学校の中で手続きできるようにするためです。期間の決め方は「留学期間の決め方|1か月・3か月・半年・1年の違い」で説明しています
- 転校の手順:ハワイの別の語学学校から Academia に移る、あるいはその逆の手続きは「ハワイの語学学校に転校する方法|I-20の移し方と手順」をご覧ください

I-20 の終了日を過ぎてから「延長したい」と来られるのが、いちばん困るケースです。終了日の前なら学校の中で済む手続きが、過ぎてしまうと別の重い手続きになります。当校が最初から2年の I-20 を出しているのは、この「うっかり」を減らすためでもあります。
「4年ルール」が始まったら、何が変わりますか?
答えは「I-94 が D/S ではなく日付になり、延長は移民局(USCIS)への申請になる。ただし、いまは裁判所の命令で止まっている」です。国土安全保障省は2026年7月17日に、D/S をやめて滞在を I-20 の期間(最長4年)に区切る最終規則を公示しました。連邦地裁(マサチューセッツ地区)は施行の前日の9月14日に、全米を対象に規則の効力を止め、政府は9月30日に第1巡回区控訴裁判所へ控訴しています。
- いまは D/S のまま:裁判所が効力を止めているので、2026年10月29日時点で入国する F-1 の I-94 は D/S です。連邦規則の条文集(eCFR)には新しい文言(「最長4年の固定期間」)が載っていますが、効力は止まっています
- 始まったときの中身:滞在は I-20 の期間・最長4年(語学留学は通算24か月)、終了後の猶予は60日→30日、延長は USCIS への申請(I-539)。詳しくは「留学ビザの4年ルールはいま?D/S廃止規則の現状」で追っています
- 備え:ルールがどちらでも、「I-20 の終了日の前に延長する」「I-94 を入国後に確かめる」の2つは変わりません

4年ルールの続報は、学校でも裁判の日程を追って、動きがあればこのコラムと SNS でお知らせしています。いま入学を考えている方に伝えているのは「止まっている間に入学した人も、始まったときの経過措置がどうなるかはまだ分からない」ということ。だからこそ、I-20 の終了日の管理だけは、ルールに関係なく最初からきちんとしておきましょう。
まとめ:ビザは「入る期限」、滞在は I-20 と I-94 で決まる
- ビザの有効期限は入国を申し込める期限で、滞在できる長さではない。日本のパスポートの F-1 は最長60か月・複数回入国(5年になる人がほとんど、まれに1年)
- 滞在できる期間は I-94 の D/S(学生の身分を保つ間)。目安は I-20 の終了日+60日。入国は開始日の30日前から
- ビザが切れても滞在中なら問題ない。出国して戻るには新しいビザが要り、国内では更新できない
- I-20 の終了日は「前」に延長する。過ぎると延長できず、60日以内に出国・転校・新しいプログラムへ
- 4年ルールは2026年10月29日時点で裁判所の命令により停止中。いまも D/S のまま。続報は別記事で
「自分のビザと I-20 はどちらが先に切れるか」「一時帰国の前に何を確かめるか」は、日本語でご相談いただけます。学校がビザの発給や入国をお約束することはできませんが、I-20 の管理と手続きの順番は、入学前から一緒に確かめます。
出典:8 CFR 214.2(f)(4)・(f)(5)・(f)(7)(eCFR。2026年9月1日時点の条文=裁判所の命令で効力が保たれている D/S の定め。(f)(5)(i) D/S の定義と30日前の入国、(f)(5)(iv) 60日・15日の猶予、(f)(7) 延長は終了日の前、(f)(4) 5か月以内の一時出国)、eCFR 2026年10月27日時点の 8 CFR 214.2(f)(5)「Period of stay」(新規則の文言。効力停止中)、米国国土安全保障省 Study in the States「What is my Duration of Status?」(2015年3月19日)「F-1 Students: Remember to Check for “D/S” on Your Form I-94」(2016年6月2日)「Maintaining Status」(2025年4月29日更新)「Full Course of Study」(2024年2月6日更新)、ICE「Students」(2025年7月8日更新。F-1 は終了日から60日以内に出国)、CBP「I-94」(2026年7月22日更新)、米国国務省「Visa Reciprocity and Civil Documents by Country: Japan」(F-1 の有効期間60か月・複数回入国)、連邦官報 2026-14439(2026年7月17日公示)、Presidents’ Alliance「Duration of Status Litigation」(9/14 の効力停止、9/30 の控訴、控訴審の書面の期限 11/9・12/9、地裁 10/30)。いずれも2026年10月29日確認。この記事は2026年10月29日時点の情報です。法的な助言ではありません。ビザの発給と入国の許可は米国政府が判断し、学校が約束することはできません。規則と裁判の状況は変わることがあるため、手続きの前に公式の案内を確かめてください。


